Anker社の3Dプリンタブランド「AnkerMake」は、新たに「AnkerMake M5C」を米国で販売開始しました。

12月にAnkerMake M5を手に入れたばかりなんだけど、新しい機種が出るなんてイヤだなぁ…
2023年3月に日本で「AnkerMake M5」を販売開始され、まだ5ヶ月しか経過していません。既にAnkerMake M5を手に入れた身としては、なんだかモヤモヤします。
しかし、チェックすればするほど、これまでとは異なる「AnkerMake M5C」の狙いや特徴が見えてきました。この記事では他機種と比較しながら、AnkerMake M5Cを詳しく解説します。この記事を読めば、日本発売されたときに購入すべきかが判断できます。
英語が分かる、または翻訳字幕でも良いのであれば、以下の動画をチェックすると詳しく分かりますね。
AnkerMake M5については、下記の記事をご覧ください。
AnkerMake M5C とは何か


AnkerMake M5Cは、2023年8月より米国で販売開始されたAnker社の3Dプリンターです。AnkerMakeブランドを冠し、高速印刷、リモート制御、堅牢な構造を特徴として、初心者からプロまで使いやすい3Dプリンタを目指しています。
AnkerMake M5Cのコンセプト
AnkerMake M5Cの公式ページから、筆者が整理したコンセプトは以下です。
- 最大の特徴は$399。前モデルのM5と比べ、大幅なコストダウンを図っている。
- 初心者から中級者が使いやすい3Dプリンターの位置付け
- 液晶パネルを廃止した代わりに、カスタマイズできるワンクリックボタンで、簡単操作を実現する。
- モバイルデバイスのAnkerMakeアプリやPCのAnkerMake slicerソフトウェアからプリンターを制御できる。
- 最大500m/sの高速出力と、高精度の出力で使いやすい。
主な特徴と詳細スペック
AnkerMake M5Cの主な特徴と詳細スペックは、以下にまとめました。
\タブはクリックタップで切替できます/
印刷サイズ | 220×220×250 mm³ |
---|---|
印刷速度 | 500 mm/s |
ワンクリックボタン | あり |
マルチカラー印刷 | あり(追加のV6が必要) |
AIカメラ | なし |
液晶モニター | なし |
ホットエンド温度(最大) | 300℃ |
対応素材(マテリアル) | PLA, PETG / PET, ABS, TPU, PA, PLA-CF, PETG-CF, PA-CF |
対応スライサー | AnkerMake Slicer, Prusa, Cura |
総重量 | 12.8 kg |
特徴の中でも、M5の高速出力は維持しつつ、300℃対応のオールメタルノズルが特徴です。AIカメラと液晶モニターは無し、サイズを小型化した大胆な仕様で、コストダウンを図っているようですね。



かなり勝負しにきてるスペックだよね!
販売価格
AnkerMake M5C最大の特徴は、その販売価格の安さです。
$399.00
この安さは破格です。AnkerMake M5が $899.00 でしたから、それより$500も安いモデルになっています。これは現在の高速3Dプリンタの中では、頭1つ抜けて安価な価格設定です。
ただし、日本で米国から輸入しようとすると、配送費と関税などで以下の費用がかかってしまいます。




せっかくのコストダウンが配送費と関税に消え、お得さがなくなってしまいます。そのため、日本での正式発売を待つ方が無難でしょう。
AnkerMake M5CはM5と何が違うのか(スペック比較)
以下に AnkerMake M5C と前モデル M5の違いをまとめました。


M5Cの方が良い部分もありますが、実際には「オールメタルホットエンドはM5向けにも提供予定」と公式発表がありました。



この発表で安心したよね!さすがは Anker!
オールメタルホットエンドをM5に実装した場合、M5Cのアドバンテージは価格・ワンクリックボタン・コンパクトさだけです。一方、液晶モニターやカメラがなく、トラブル発生時の対応に苦慮するのでは?と不安を感じます。
AnkerMake M5C はAnkerMake M5 の良さを残した廉価モデル



費用が許せば 、AnkerMake M5 を購入した方がきっと長く使えるよ
AnkerMake M5については、下記の記事をご覧ください。
AnkerMake M5とCreality K1の違い(スペック比較)
以下に AnkerMake M5C と、同価格帯のライバル3Dプリンタ「Creality K1」との違いをまとめました。


日本語対応とワンクリックボタン以外は、Creality K1 の方が良さそうに見えます。
しかし、筆者のCreality K1は初期不良が頻発しました。同様のケースは、初期ロット購入に多くみられたようでした。。



Creality K1を購入してから、不具合で2カ月近くも使えなかったのはツラかったなぁ…
恐らく今後の時間経過によって、問題は修正されていくはずです。
一方、AnkerMake M5は購入から半年以上使い倒していますが、ほぼ不具合らしい不具合は出ていません。そのため、スペック表からでは把握できない、品質や信頼性でAnkerMakeに軍配が上がると考えます。
スペック優先で購入するなら Creality K1、費用が許すなら AnkerMake M5 にすべき。ただし、日本での販売価格次第では AnkerMake M5C が圧倒する可能性がある。
ただ、M5Cは$399です。日本での販売価格次第では、最強のコストパフォーマンスで、他3Dプリンタ"圧倒する可能性があります。そこで価格については、今後注目しておく必要があります。
Creality K1については、下記の記事をご覧ください。
AnkerMake M5Cは誰が買うべきか


筆者がスペック表から判断する限り、以下の人に最適なモデルだと感じました。
- 3Dプリンタ初心者が最初に購入する一台(サポートや信頼度の観点より)
- AnkerMake M5 より安い高速3Dプリンタが欲しい人
- なるべく安価な高速3Dプリンタが欲しい人
しかし、以下の人には向いていないとも感じました。
- 既に3Dプリンタを保有しており、よく知っている人
- パソコンやスマートフォンを持っていない人
まだ英語の情報と、海外のβテスターの情報しかありません。今後、米国で購入した人の情報を元に、本記事は更新を継続していく予定です。


ITエンジニア歴18年の3Dプリンタブロガー。
3Dプリンタで作った物をSNS投稿するのが趣味。自らが便利だなと感じたことは、誰かにシェアせずにはいられない性格。このサイトに掲載した情報が少しでもお役に立てば幸い。 (English OK)
匠の3D作品は以下をチェックしてください。
Thingiverse
Printables
Cults
Thangs